イラン核問題「最終合意」を巡るオバマ政権と共和党の「攻防」

足立正彦
執筆者:足立正彦 2015年7月23日
エリア: 北米 中東

 中東地域の一層の不安定化の懸念の1つであるイラン核問題について、国連安全保障理事会の常任理事国である米英仏中露の5カ国と独のP5+1は7月14日、ウィーンで「包括的共同行動計画(JCPOA)」(通称「最終合意」)にようやく達した。イランと特に米国との溝は大きく、3週間にも及んだ交渉では、交渉期限が3度も延長されるという異例の事態となった。
 そもそも2013年11月、イランとP5+1は「共同行動計画(JPOA)」(通称「暫定合意」)に達していた。その際、イランは国際社会から核兵器の開発、製造の疑惑の目を向けられていたウラン濃縮活動についての制限を受け入れる一方、その見返りとしてP5+1は対イラン経済制裁措置を緩和することで合意。その後も関係国は断続的に交渉を継続し、今年4月2日には「最終合意」に向けた「政治枠組み合意」がスイス・ローザンヌで成立し、「最終合意」の交渉期限である今年6月末に向け、詰めの交渉が行われてきたのだ。
 イランとP5+1との「最終合意」を困難にしていた要因の1つは、対イラン経済制裁措置の解除問題である。イラン側が「即時解除」を求めていたのに対し、米国をはじめとする関係国は、イラン側が「最終合意」で規定された行動計画を遵守していることが国際原子力機関(IAEA)により検証された後に「段階的解除」が行われるべきと主張し、対立していた。また、イランは最終的には一定のウラン濃縮活動を行うことが容認されたが、稼働が認められる遠心分離機の規模や、テヘラン近郊にあるパルチン軍事施設などへのIAEAによる査察問題についても最後まで激しい協議が行われ、ようやく「最終合意」にこぎつけたのである。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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