岩瀬昇のエネルギー通信 (167)

米「シェール」増産でも気がかりな「課題」と「展望」

執筆者:岩瀬昇 2019年8月5日
タグ: 日本
シェール増産を報じる『ロイター』の記事
 

 2019年7月初め、少なくとも2020年までは米国のシェールオイルの増産量が世界全体の石油需要増を上回るだろう、と米国投資銀行「ゴールドマン・サックス」が予測している、と『ロイター』が報じた(2019年7月8日「U.S. oil output gains to outpace global demand growth until 2020 : Goldman」)。

 世界全体の石油需要は、2019年が前年比80万BD(バレル/日)増、2020年が160万BD増で、2年間で240万BD増と見込まれるのに対し、米国の原油生産はそれぞれ130万BD増、120万BD増、2年間で250万BD増と見込まれるからだ。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top