【特別コラム】近代という「神話」の終焉(1)
崩壊しつつある近代

執筆者:内山節 2021年9月18日
タグ: 日本
エリア: その他
 

 1789年にフランス革命が勃発した頃、イギリスでは産業革命が進行していた。それは、「ヨーロッパの世紀」のはじまりを意識させた時代の幕開けだった。

 フランス革命では、自由、平等、友愛という近代の理念が高らかにうたいあげられ、イギリスでは資本主義的な市場経済が定着していく。個人を基盤にした市民社会が生まれ、それまでの領主制に代わって国民国家が生まれていった。この国民国家では共和制がひかれ、代議制民主主義が確立していく。

 この時代のヨーロッパは近代社会のかたちをつくりだしていったのである。後にこの陣営にアメリカが加わり、欧米の時代が展開されていくことになる。

カテゴリ: カルチャー 社会
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執筆者プロフィール
内山節(うちやまたかし) 哲学者。1950年、東京生まれ。群馬県上野村と東京を往復しながら暮らしている。著書に『「里」という思想』(新潮選書)、『新・幸福論』(新潮選書)、『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』(講談社現代新書)、『修験道という生き方』(共著、新潮選書)、『いのちの場所』(岩波書店)、『内山節著作集』(全15巻、農山漁村文化協会)など多数。
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