インドネシア大統領選を「決着」させた「憲法裁判所」の役割

川村晃一
執筆者:川村晃一 2014年9月3日
カテゴリ: 国際 政治
 当選も確定し、いよいよ手腕が試されるジョコウィ次期大統領 (C)AFP=時事
当選も確定し、いよいよ手腕が試されるジョコウィ次期大統領 (C)AFP=時事

 7月9日に実施されたインドネシアの大統領選挙の結果がようやく確定した。選管である総選挙委員会(KPU)から公式の得票結果が発表されたのは7月22日のことであったが、そこで敗者となったプラボウォ・スビアント候補が、その結果を不服として憲法裁判所に提訴していた。その訴訟の判決が8月21日に言い渡されたのである。プラボウォの訴えは、9人の判事全員の一致した意見として、証拠不十分で全面的に棄却された。憲法裁判所による判決は最終の確定判決であり、これ以上選挙結果をめぐって法的に争うことはできない。プラボウォ自身はまだ悪あがきを続けているが、政治エリートも大方の 国民も、関心は当選したジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ) の新政権へと移っている。

 今回の選挙結果をめぐる争いに最終的な決着をつけたのは、憲法裁判所という司法機関であった。日本人には耳慣れない裁判所であるが、近年民主化した国々では、良くも悪くも政治的に重要な役割を果たしている。今回は、インドネシアの憲法裁判所に注目しながら、民主化と司法の関係について報告する。

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執筆者プロフィール
川村晃一
川村晃一 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 地域研究センター副主任研究員。1970年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、ジョージ・ワシントン大学大学院国際関係学研究科修了。1996年アジア経済研究所入所。2002年から04年までインドネシア国立ガジャマダ大学アジア太平洋研究センター客員研究員。主な著作に、『2009年インドネシアの選挙-ユドヨノ再選の背景と第2期政権の展望』(アジア経済研究所、共編著)、『インドネシア総選挙と新政権-メガワティからユドヨノへ』(明石書店、共編著)、『東南アジアの比較政治学』(アジア経済研究所、共著)、『新興民主主義大国インドネシア-ユドヨノ政権の10年とジョコウィ大統領の誕生』(アジア経済研究所、編著)などがある。
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