コロナショック中南米に「分断の種」蒔いたトランプ政権

執筆者:遅野井茂雄 2020年7月22日
エリア: 北米 中南米
新NAFTA協定の発効にあわせてホワイトハウスを訪れたロペスオブラドール大統領(C)AFP=時事

 

 6月に出された国際通貨基金(IMF)の「世界経済見通し」(WEO)によれば、2020年の中南米のGDP成長率はマイナス9.4%。破綻したベネズエラを除いてもマイナス9.2%で、新興市場と途上国地域(平均マイナス3.0%)中でも中南米地域の経済収縮が突出しており、新型コロナ禍による経済的衝撃の深刻度が窺われるというものである。

 特に、「資源ブーム」が終焉した2014年から地域が直面した経済後退に追い打ちをかけるようなコロナショックであることは、当サイトでも累次報告してきたところである。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
遅野井茂雄(おそのいしげお) 筑波大学名誉教授。1952年松本市生れ。東京外国語大学卒。筑波大学大学院修士課程修了後、アジア経済研究所入所。ペルー問題研究所客員研究員、在ペルー日本国大使館1等書記官、アジア経済研究所主任調査研究員、南山大学教授を経て、2003年より筑波大学大学院教授、人文社会系長、2018年4月より現職。専門はラテンアメリカ政治・国際関係。主著に『試練のフジモリ大統領―現代ペルー危機をどう捉えるか』(日本放送出版協会、共著)、『現代ペルーとフジモリ政権 (アジアを見る眼)』(アジア経済研究所)、『ラテンアメリカ世界を生きる』(新評論、共著)、『21世紀ラテンアメリカの左派政権:虚像と実像』(アジア経済研究所、編著)、『現代アンデス諸国の政治変動』(明石書店、共著)など。
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