「そごう・西武」売却の迷走でセブン&アイHD「井阪体制」に囁かれる限界

IN-DEPTH【ニュースの深層】

2023年2月28日
エリア: アジア
そごう・西武は自主独立を諦めていない(C)新潮社
当初2月1日とされた譲渡時期は「3月中」に変更され、事態は日に日に流動化。そごう・西武労組がセブン&アイの株主の立場で売却差し止めを求める動きも加わる中、今年の「セブンイレブン設立50周年」は現体制では祝えないとの声も。

   頭が8つ、尾も8つあり、それぞれが思いのままに暴れるヤマタノオロチ。これがセブン&アイ・ホールディングス(HD)を乗っ取っているのではないかと思わずにはいられない。

   約1年かけて進めてきた傘下の百貨店、そごう・西武の売却交渉は迷走の極みだ。売却先が米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループ(以下、フォートレス)に決まったものの、地権者や自治体から「待った」がかかり立ち往生。売られる側の、そごう・西武は抗戦の構えを見せる。買う側も新たな条件をセブン&アイに突きつけ、揺さぶりをかけている。

   落とし所が見当たらない状況に、セブン&アイの取引金融機関からは「井阪隆一(セブン&アイHD)社長の胆力が問われている」と厳しい視線が注がれる。

契約書を見て絶句した林社長

「やっぱりね」。1月24日午後、セブン&アイHDが発表した「当社子会社の株式譲渡及びそれに伴う子会社異動の実行時期に関するお知らせ」をニュースで知った関係者の多くがそう思ったに違いない。当社子会社とは、そごう・西武のこと。昨年11月にフォートレスとヨドバシホールディングス連合への売却を発表した際には、譲渡時期を今年2月1日としていたが、それを「3月中」に変更するという内容だった。

「やっぱりね」の伏線は……

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カテゴリ: 経済・ビジネス
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