「カジノ解禁」で問われる財務省・金融庁の「監視能力」

執筆者:磯山友幸 2014年9月25日
エリア: 北米 アジア
 果たして臨時国会で成立するか…… (C)EPA=時事
果たして臨時国会で成立するか…… (C)EPA=時事

 カジノ解禁を巡る動きが活発化している。通常国会で継続審議となった「統合型リゾート推進法案」いわゆる「カジノ法案」が、秋の臨時国会で成立するとの期待感が広がっているためだ。米ラスベガスやアジアでカジノを運営するIR(統合型リゾート)会社などが相次いで日本に拠点を置いているほか、国内企業もカジノ参入に意欲を示し始めた。

 

海外IR大手が続々日本へ

 IRはカジノを中心に、ホテルや国際会議場、劇場などのエンターテイメント施設を併設した巨大リゾートで、観光客誘致の目玉施策として注目されている。また、1カ所あたり数千億円の投資規模になるうえ、大量の雇用を創出することから、経済活性化に直結すると見られている。近年ではシンガポールが湾岸の再開発エリアにIRを建設。大量の中国人観光客などの誘致に成功している。

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執筆者プロフィール
磯山友幸(いそやまともゆき) 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト活動とともに、千葉商科大学教授も務める。著書に『2022年、「働き方」はこうなる』 (PHPビジネス新書)、『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、『破天荒弁護士クボリ伝』(日経BP社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
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