しばしば流血の惨事に彩られてきたインドの政治・社会史上、2002年の「グジャラート暴動」と並ぶ最悪の宗教対立と考えられるのが、北部ウッタルプラデシュ州東部・アヨーディヤの「モスク破壊事件」だろう。
ヒンドゥー教の神ビシュヌの化身ラーマの生誕地とされるアヨーディヤには、ムガル帝国時代に建立されたモスク(イスラーム礼拝所)があった。それが1992年、ヒンドゥー・ナショナリストらによって突然破壊され、政治や司法を巻き込んで今日まで尾を引く一大問題となっている。
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