安倍晋三首相は8月28日、持病の潰瘍性大腸炎の症状悪化を理由に辞職を表明した。約7年8カ月という憲政史上最長政権のあっけない幕切れだった。
国民の意思を反映した辞任でも、政策課題が達成できたということでもなく、任期満了などの政治的な区切りによる辞任でもなかった。むしろ、行き詰まり、実現不可能になった課題を放棄するための、病気辞任のように映った。
安倍首相は、「拉致問題の解決」ができなかったことは「痛恨の極み」であり、「ロシアとの平和条約」と「憲法改正」ができなかったことは「断腸の思い」だとした。日朝関係については「拉致問題」を挙げただけで、最悪といわれる日韓関係については一言もなく、記者たちの質問にも上がらなかった。
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