[モルテラッチ氷河・スイス発(ロイター)]スイス人雪氷学者のアンドレアス・リンスバウアー(45)がクレバスを軽やかに跳び越えてゆく。その姿からは、彼が氷河を記録するのに必要な10キロもの機材を運んでいるとは想像もつかないだろう。
彼は例年、夏が終わり氷河の融解が落ち着く9月下旬になると、巨大なモルテラッチ氷河のこのルートを行く。しかし今年は氷の融解が激しいため、緊急メンテナンスのために2カ月も早く15キロ四方の氷の円形劇場にやってきた。氷厚の変化を計測するのに使うポールが氷の融解によって外れてしまうおそれがあるため、新しく穴をあける必要があるのだ。
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