北京市内の大型書店。カフェも併設された瀟洒な店内は、市民の集いの場となっている(筆者撮影)
長期低落傾向が続く日本の出版業界とは対照的に、中国の出版業は毎年業績を伸ばしている。注目すべきは、デジタルコンテンツ拡大を牽引する若者たちが、同時に重厚な本が並ぶ書店も支持する構図だ。日本に肩を並べる1兆円市場に成長した中国の出版業界の現状を現地からレポート。(後編はこちらから)
中国の出版業界に対する日本の読書人・出版社の関心は低い。それは日本で翻訳出版されている中国刊行の書籍の点数の圧倒的な少なさが如実に立証している。いっぽうで、中国の出版人は日本の出版動向を常に注視し、読者もまた日本の書籍やクリエーターたちに熱い視線を送り、日本に関連する書籍は種類・点数ともに活況を呈している。
中国の出版業界の経済規模はここ30年間、右肩上がりを続けており、売上高規模においてほぼ日本と肩を並べるくらいにまで成長した。
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