中国の出版業界が30年間成長し続ける理由(上)

執筆者:馬場公彦 2022年11月20日
タグ: 中国
エリア: アジア
 北京市内の大型書店。カフェも併設された瀟洒な店内は、市民の集いの場となっている(筆者撮影)
長期低落傾向が続く日本の出版業界とは対照的に、中国の出版業は毎年業績を伸ばしている。注目すべきは、デジタルコンテンツ拡大を牽引する若者たちが、同時に重厚な本が並ぶ書店も支持する構図だ。日本に肩を並べる1兆円市場に成長した中国の出版業界の現状を現地からレポート。(後編はこちらから)

 中国の出版業界に対する日本の読書人・出版社の関心は低い。それは日本で翻訳出版されている中国刊行の書籍の点数の圧倒的な少なさが如実に立証している。いっぽうで、中国の出版人は日本の出版動向を常に注視し、読者もまた日本の書籍やクリエーターたちに熱い視線を送り、日本に関連する書籍は種類・点数ともに活況を呈している。

 中国の出版業界の経済規模はここ30年間、右肩上がりを続けており、売上高規模においてほぼ日本と肩を並べるくらいにまで成長した。

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執筆者プロフィール
馬場公彦 1958年生、長野県出身。北海道大学文学部卒・同大学院大学院東洋哲学研究科修了。2010年早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士課程修了、学術博士。岩波書店にて長く編集者として活動、編集部部長、ライツマネジメント部部長など歴任。2019年より北京大学外籍専家、2022年より北京外国語大学副教授。日中関係論・メディア研究専攻。単著『『ビルマの竪琴』をめぐる戦後史』2004年、法政大学出版局、『戦後日本人の中国像――日本敗戦から文化大革命・日中復交まで』2010年、新曜社,『現代日本人の中国像――日中国交正常化から天安門事件・天皇訪中まで』2014年、新曜社、『世界史のなかの文化大革命』2018年、平凡社、『播種人--平成時代編輯実録』2019年、上海交通大学出版社、など
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