オランダにみる「新しい農業」のあり方

執筆者:一ノ口晴人 2010年2月号
タグ: 日本
エリア: ヨーロッパ

先進国としては珍しく競争力を維持するオランダ農業は、創意と工夫の賜物。日本にも参考になる点が多い。 狭い国土、高い人件費、高水準の工業技術、発達した金融サービス。日本と極めて似通った環境にあるオランダは、実は農産物純輸出額(農作物の輸出額と輸入額の差額)で世界のトップクラスに位置づけられる“農業大国”だ。 決して条件に恵まれているわけではない。人口約千六百万人。国土面積は北海道の約半分で、九州より少し小さい。国土のほとんどが平地だが、堤防がなければ六五%が水没してしまう。首都アムステルダムと国内最大のスキポール空港は海面下三・五メートル。オランダの正式名称が「ネーデルランド(低地)」だというのも頷ける。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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