「改革開放の闇」を無慈悲に露出させる『炸裂志』:中国人作家・閻連科インタビュー

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2017年1月26日
エリア: 中国・台湾
著書を手に持つ閻連科氏(著者撮影)

 

 中国を代表する作家で、日本の村上春樹と並んで、ノーベル文学賞の候補にも挙げられる閻連科。その最新作『炸裂志』(泉京鹿訳、河出書房新社)がこのほど日本で出版された。

 その内容は、改革開放の中国社会のなかで、あらゆる不正行為に手を染めながら、村から鎮へ、鎮から県へ、県から直轄市へと階段を上っていく「炸裂」という想像上の地域を舞台にした巨大な寓話である。

 もともと村の有力者だった孔一族とその周辺の人々が、不正、贈賄、泥棒、売春、ゆすりなどあらゆる手段を使ってのし上がり、権力をつかみ、富を蓄積していく。そのスピード感は、1990年代から止まった時間を過ごしてきた私たち日本人にとっては、ある種の爽快さや嫉妬すら感じさせる。

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執筆者プロフィール
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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