伝統的社会では本人証明は必要なかったが、都市化によって匿名化が進み、本人証明が難しくなった。インターネットではさらに難しい。このため、預金不正引き出しなどの事故が起きている。これに対応するための現在の仕組みはID・パスワード方式だが、さまざまな問題がある。そこで、「分散型ID」が提案されている。さらに、ブロックチェーンを用いる「分散型の公開鍵基盤」が開発されている。
都市が人間を自由にした
伝統的社会の規模が小さいコミュニティでは、誰もが他の人のことを良く知っていた。誰もが互いの顔を知っているだけでなく、生活のあらゆる側面が筒抜けになっており、各人の普段の行いや、これまでの履歴を知っている。だから、誰だかすぐに分かる。本人証明のために特別の手段を設ける必要はなかった。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン