アングロ・アメリカンの凋落

執筆者:平野克己 2012年2月29日
エリア: アフリカ

 2月7日、スイスのトレーダー最大手「グレンコア」と、やはりスイスの資源メジャー「エクストラータ」との合併が発表された。新しい社名は「グレンコア・エクストラータ・インターナショナル」になる。合併後の総売上高はおよそ16兆円で、資源会社としてはおそらく世界第4位に躍り出る。川上から川下まで網羅できる資源総合企業の登場だ。ちなみに業界第1位はBHPビリトン、第2位はブラジルのヴァーレ、第3位はリオ・ティントである。かつて世界最大の鉱山会社としてアパルトヘイト時代の南アフリカ経済に君臨したアングロ・アメリカンは、もしかすると中国の国営石炭会社「神華能源」にも抜かれて、業界第6位に転落する。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
平野克己(ひらのかつみ) 1956年生れ。早稲田大学政治経済学部卒、同大学院経済研究科修了。スーダンで地域研究を開始し、外務省専門調査員(在ジンバブエ大使館)、笹川平和財団プログラムオフィサーを経てアジア経済研究所に入所。在ヨハネスブルク海外調査員(ウィットウォータースランド大学客員研究員)、JETRO(日本貿易振興機構)ヨハネスブルクセンター所長、地域研究センター長などを経て、2015年から理事。『経済大陸アフリカ:資源、食糧問題から開発政策まで』 (中公新書)のほか、『アフリカ問題――開発と援助の世界史』(日本評論社)、『南アフリカの衝撃』(日本経済新聞出版社)など著書多数。2011年、同志社大学より博士号(グローバル社会研究)。
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