EUの来た道(下)それでも「統合」は進んでいる

渡邊啓貴
ユーロ導入に繋がる成果を残したシュミット西独首相(右)とジスカールデスタン仏大統領(共に当時)(1974年6月、フランス・パリ)(C)AFP=時事

 欧州統合の発想は、ロベール・シューマン仏外相の提案「シュ-マン宣言」を基礎とする欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)、その後1958年に発効したEEC設立条約(ロ-マ条約)に受け継がれていった。シューマンが1950年にラジオでシューマン宣言を発表した5月9日は「ヨーロッパ・デー」としてEUの記念日(ナショナル・デー)となっている。それは2つの大戦争の背景となった独仏の和解を前提としたヨーロッパの平和のための構想であった。石炭鉄鋼は当時の基幹産業である。それを、独仏が伊・ベネルクス3国とともに共有するということは、当時としては大変な画期的出来事であった。

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執筆者プロフィール
渡邊啓貴 東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。1954年生れ。パリ第一大学大学院博士課程修了、パリ高等研究大学院・リヨン高等師範大学校客員教授、シグール研究センター(ジョージ・ワシントン大学)客員研究員、在仏日本大使館広報文化担当公使(2008-10)を経て現在に至る。著書に『ミッテラン時代のフランス』(芦書房)、『フランス現代史』(中公新書)、『ポスト帝国』(駿河台出版社)、『米欧同盟の協調と対立』『ヨーロッパ国際関係史』(ともに有斐閣)『シャルル・ドゴ-ル』(慶應義塾大学出版会)『フランス文化外交戦略に学ぶ』(大修館書店)『現代フランス 「栄光の時代」の終焉 欧州への活路』(岩波書店)など。
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