Δ(デルタ)

連載小説 Δ(デルタ)(18)

杉山隆男
沖縄県・尖閣諸島の魚釣島と北小島、南小島 (C)時事

 

【前回までのあらすじ】

中国人集団「愛国義勇軍」による巡視船「うおつり」の乗っ取りは、そのまま中国による「センカク」奪取につながるのではないか。日本政府が一番懸念するのはそのことだが、アメリカの報道はなぜか、「センカク」にも日米安保条約への言及にも消極的だった。それはホワイトハウスの意思なのか――官邸は戸惑いの中にあった。

 

     16(承前)

 国の非常時に扇の要となる内閣危機管理監の門馬と、滝沢情報官をのせたエレベーターは、首相官邸の1階を素通りして地下1階へと直行した。門馬がお茶に誘ったのである。

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執筆者プロフィール
杉山隆男 1952年、東京生れ。一橋大学社会学部卒業後、読売新聞記者を経て執筆活動に入る。1986年に新聞社の舞台裏を克明に描いた『メディアの興亡』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。1996年『兵士に聞け』で新潮学芸賞受賞、以後『兵士を見よ』『兵士を追え』とつづく「兵士シリーズ」は7作目の『兵士に聞け 最終章』で完結した。ノンフイクション、小説、エッセイなど精力的に執筆し、『汐留川』『昭和の特別な一日』『私と、妻と、妻の犬』など著書多数。
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