「人手不足」と外国人 (37)

「文科省」「入管」「自治体」「学校」ブータン留学生を食い物にする「日本」の罪(中)

執筆者:出井康博 2019年9月5日
エリア: アジア
捏造された数字が載ったダワ君の父親の収入証明書(筆者提供、以下同)
 

 2019年7月19 日午後、筆者の『LINE』に英語の短いメッセージが届いた。

〈ビザは更新できませんでした〉

 メッセージを送ってきたのは、ブータン人留学生のダワ君(仮名・20代)だ。

 2017年10月に来日した彼は、日本語学校で1年半にわたって在籍した後の今年4月、千葉市内の専門学校に進学した。日本語学校当時に一度更新した留学ビザは、7月に在留期限を迎える。そこで再び更新の申請をすると、入管当局から問題を指摘された。そしてこの日の朝、出頭した当局で、更新の不許可を申し渡されたのだった。留学生のアルバイトとして認められる「週28時間以内」を大幅に超えて働いていたからだ。

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執筆者プロフィール
出井康博(いでいやすひろ) 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
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