岩瀬昇のエネルギー通信 (315)

今後20年「石油需要増加」と断言する「OPEC」の真意

OPECのHPでも『年次世界石油展望2020版』を公開している
 

 9月29日に開催した「新潮社Foresightウェブ化10周年記念大鼎談」の場で筆者は、本年5月以降の「OPEC」(石油輸出国機構)の協調減産の実態を分析し、各国の「遵守度」がバラバラであることをご紹介した(2020年10月5日『【オンラインセミナー】「2020年石油価格戦争」と「アルメニア・アゼルバイジャン紛争」(1)』)。

 その上で次のように述べている。

〈OPECの憲章には罰則規定がありません。強制的に守らせる規定がない紳士協定です。これが果たして今のような状況の中で機能するのかというのが、疑問に思っている点です〉

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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