インド携帯電話市場に異変?~加入者数、半年で7000万件減少

執筆者:山田剛 2013年2月11日
タグ: 中国 インド
エリア: アジア

 世界最速の成長市場と言われ、一時は9億3000万件を超えて中国に次ぐ加入者数を誇っていたインドの携帯電話業界にちょっとした「異変」が起きている。過去10年近くにわたって幾何級数的な伸びを示し、2010年に一時月間2000万件を超えるハイペースで増加していた累計加入者数が、12年7月に初めて減少に転じた。さらに同年末までの約半年で実に約7000万件の大幅減となり、累計9億件を大きく割り込んだのだ。

 これだけだとニュースのように聞こえるが、普通に通話していたユーザーが大挙して契約を取りやめたわけではなく、購入後一定期間以上にわたって利用がなく新たに料金のチャージもされていないプリペイド式のSIMカードについて、携帯電話サービス各社が一斉に回線切断に動いた結果だ。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
山田剛(やまだごう) 日本経済研究センター主任研究員。1963年生れ。日本経済新聞社入社後、国際部、商品部などを経て、97年にバーレーン支局長兼テヘラン支局長、2004年にニューデリー支局長。08年から現職。中東・イスラム世界やインド・南アジアの経済・政治を専門とする。著書に『知識ゼロからのインド経済入門』(幻冬舎)などがある。
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