いま警戒しておくべき安全保障上の「四つの危険」

[ワシントン発]アメリカのサブプライム住宅ローンの焦げ付きと、昨年九月の米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻を発端とした世界金融危機は、ニューヨークから東京に至るまで世界中の株式市場の時価総額を半減させる大混乱を招いた。さらに二〇〇九年の世界の国内総生産(GDP)総計は、この数十年で最悪のものになると予測されている。 一方、米政府が主導する景気刺激策が徐々に効果を現し、今年の暮れまでに世界経済は底を打ち、緩やかながらも着実な成長軌道に戻るのではないかと見る経済専門家も多い。 とはいえ、今の時代、確実なことなど何もない。消費者ローンや学資ローンの焦げ付き、あるいは欧米での住宅価格のさらなる暴落など、サブプライムローンの他にも、まだまだはじける余地のある「バブル」はある。そして、ドルの暴落という究極の危険も否定できない。

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執筆者プロフィール
マイケル・グリーン(まいけるぐりーん) 1961年生れ。フルブライト留学生として東京大学大学院に留学。国会議員秘書や新聞記者などで5年間の滞日経験をもち、日本語に堪能。ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(SAIS)より博士号取得。2001年、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)入りし、04年から05年まで上級アジア部長。06年初めよりCSIS日本部長とジョージタウン大学教授を兼務している。
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