「紛争」と「鉱物資源」と「性暴力」

白戸圭一
執筆者:白戸圭一 2016年5月24日
エリア: アフリカ

 アフリカ大陸中部に位置するコンゴ民主共和国の東部を舞台にした、1本のドキュメンタリー映画を紹介させてほしい。ベルギー人監督のティエリ・ミシェル(Thierry Michel)氏(63歳)が制作した2015年の作品で、原題はフランス語で「L'HOMME QUI REPARE LES FEMMES」という。直訳すると「女を修理する男」。筆者が知る限り、日本では一般の映画館での公開予定はなく、6月3日に立教大学の学内で上映される。筆者はコンゴ東部の情勢について上映当日に観客向けに解説するよう主催者から依頼を受け、先日鑑賞した。

20年に及ぶコンゴの紛争状態

 1時間52分の本作は、紛争が続くコンゴ東部で性暴力被害者の治療に取り組む1人のコンゴ人産婦人科医の活動を追い、遠いアフリカの紛争地に蔓延する凄惨な性暴力が、先進社会に住む我々の日常とどのように繋がっているかを考えさせる。
 
 主人公の医師はデニ・ムクウェゲ(Denis Mukwege)氏。コンゴ生まれの61歳。フランスの大学で医学を学び、コンゴ東部の南キブ州ブカブに病院を設立し、コンゴ軍兵士や武装勢力の戦闘員にレイプされた女性の治療と心のケアを続けている。これまで治療に当たった被害女性は4万人を超える。

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執筆者プロフィール
白戸圭一
白戸圭一 三井物産戦略研究所国際情報部 中東・アフリカ室主席研究員。京都大学大学院客員准教授。1970年埼玉県生れ。95年立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。同年毎日新聞社入社。鹿児島支局、福岡総局、外信部を経て、2004年から08年までヨハネスブルク特派員。ワシントン特派員を最後に2014年3月末で退社。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞)、共著に『新生南アフリカと日本』『南アフリカと民主化』(ともに勁草書房)など。
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