私は1990年に香港中文大学に留学した。1年間の語学留学であったが、その時に覚えて学び続けた北京語(中国語)と、今はすっかり錆び付いた広東語を使って香港返還20周年を取材している。そう考えると、私にとって若い頃の留学は後の人生に多少なりとも意味を持ったようである。
香港留学の経歴を見た人に「なぜ香港に」とよく質問されるのだが、当時の香港は、中国よりも台湾よりもずっと輝いていて、自由と自信、エネルギーに満ち溢れ、「東洋の真珠」の名前に相応しい場所だった。
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