インテリジェンス・ナウ

CIAの「中国情報網」が壊滅か:中国系元工作員に疑惑

執筆者:春名幹男 2018年2月2日
エリア: 北米 アジア
逮捕された元CIA工作員のジェリー・チャン・シン・リー容疑者(右)(C)AFP=時事

 

 米中央情報局(CIA)が中国政府内に張りめぐらしていた情報網に異変を探知したのは、2010年のことだった。それまで、CIAの情報源は中国の機密情報を通報していたが、突然連絡が絶たれ、1人、また1人と消えていったというのだ。

 昨年5月20日付の『ニューヨーク・タイムズ』(NYT)によると、2012年末までに少なくとも12人が中国当局によって殺害された。投獄された者を合わせると総計18~20人。見せしめのため、中国政府庁舎中庭で、同僚らの目前で射殺された者もいたと言われる。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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