実質破綻「国連」分担金制度いまこそ見直しを

多額の負担金を拠出しながら、安全保障理事会の常任理事国にすらなれないという矛盾した現実 (C)AFP=時事

 

 国際連合(以下、国連)が悲鳴を上げている。

「2019年の通常予算に基づく活動に必要となる総額のうち、加盟諸国は70%しか納付していない。これにより、国連は9月末に2億3000万ドル(約250億円)の現金不足に陥り、このままでは流動性準備金も今月末までに使い果たす恐れがある」

 これは、10月7日にアントニオ・グテレス事務総長が国連事務局の職員3万7000人に送った書簡の内容の一部だ。10月末にも職員の給与や各手当の支払が滞る可能性があるため、コスト削減のために会合や会議を延期し、サービスを縮小する、としている。企業で言えば、事実上、倒産寸前だ。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
鷲尾香一(わしおこういち) 金融ジャーナリスト。本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。
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