国際人のための日本古代史 (125)

古代史を解き明かしてきた「考古学」のロマン

執筆者:関裕二 2020年7月8日
カテゴリ: カルチャー
エリア: アジア
岩宿遺跡の前には相沢の功績を称える碑がある(筆者撮影、以下同)
 

 とてもマニアックなニュースだが、千葉県市原市の「稲荷台1号墳」(5世紀後葉)の発掘現場から出土品87点を無断で持ち帰ってしまった同市の男性(72)が返還を求められ、千葉地方裁判所で裁判になるという(『千葉日報』2020年7月2日)。

 男性は市の調査団に加わっていた市文化財センターの嘱託職員だった。発掘品を持ち帰ったのは平成2年(1990)で、翌年退職した。当人は、調査団長に許可を得ていると弁明している。これに対し市原市側は、報告書の作成が終わっていないため、出土品が必要と訴えたのである。

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執筆者プロフィール
関裕二(せきゆうじ) 1959年千葉県生れ。仏教美術に魅せられ日本古代史を研究。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。著書に『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』、『「死の国」熊野と巡礼の道 古代史謎解き紀行』『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪 古代史謎解き紀行』『「大乱の都」京都争奪 古代史謎解き紀行』『神武天皇 vs. 卑弥呼 ヤマト建国を推理する』など多数。最新刊は『古代史の正体 縄文から平安まで』。
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