【Analysis】製パン用小麦の世界的産出量が減少、入手競争に拍車

2022年1月25日
カテゴリ: 経済・ビジネス
エリア: ヨーロッパ
輸送コスト、肥料コストの高騰も、小麦価格に多大な影響を与えている(写真提供=ロイター)
ロシアなど小麦主要産出国の生産減にコロナ禍による輸送コスト増も加わって、小麦価格が9年来の高値に急騰している。在庫水準を落としていた製粉各社への打撃は長引く見通し。

[シンガポール]中東のある大手製粉会社が昨年10月、高品質のオーストラリア産小麦の一船荷に2300万ドル(約25億7600万円)を超える額を支払った。現在同社は同様の委託買付にさらに10%を上乗せする意向を示しているが、いまだ契約締結には至っていない。輸出業者が食糧用の高品質小麦を十分に入手できないでいるからだ。                              

 現在、パンや麺、その他の食品に使用される高タンパク質小麦の確保に、輸入業者の多くが奔走している。前出の製粉会社もその一つだ。小麦の生産問題が小麦産出大国で連続して起こったことで、各国の生産量と輸出可能な量が減ったのが原因だ。

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