朝鮮半島有事――その時、北京は?

Foresight World Watcher's 3Tips

執筆者:フォーサイト編集部 2024年4月6日
エリア: アジア 中東

同時危機の「順序を逆」にして問う必要がある[訪朝した習近平中国国家主席(右)と昼食会を開いた金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長=2019年6月21日、北朝鮮・平壌(ピョンヤン)](C)EPA=時事

 今週もお疲れ様でした。今回の本欄は対イラン政策、中国経済、北東アジアの安全保障という三つのテーマそれぞれについて、注目すべき「異論」をピックアップしました。先行議論の枠組みや前提条件から問い直す問題提起は、たとえ多数派の支持を得ていなくても、現実をより正確に捉える上で有効です。特に「2024年に北朝鮮の好戦性が急上昇する可能性が高い」とする米国防総省ダニエル・K・イノウエ・アジア太平洋安全保障研究センター・趙成敏教授の論考は、台湾有事に関心が偏りがちな日本の安全保障認識に重要な注意喚起を行っていると言えそうです。

 フォーサイト編集部が週末に熟読したい海外メディア記事3本、皆様もよろしければご一緒に。

A Détente Option for Iran【Jon B. Alterman/Foreign Affairs/4月3日付】

「1979年にイスラム共和国が建国されて以来、ワシントンはイランを苦手とし、手を焼いてきた。米国はイランの16倍以上の経済規模、100倍以上の軍事予算を持つにもかかわらず、イランは安定した地域秩序を作ろうとする米国の努力を一貫して妨害してきた。[中略]イランを傍観させようとする米国の努力は、この40年間、ほとんどが失敗に終わっている。これは謎だ」
「両者の格差は非常に大きく、イランの悪質な行動を抑止することは、米国の政策と決意を適切に調整すればよい単純な問題だと思われていた。[中略]しかし、この仮定は間違っている」
「問題は抑止にあるのではない。むしろ、ワシントンがテヘランに対して、あまりにも長期にわたり、あまりにも限られた手段で、あまりにも多くのことを行おうとしてきたことにある」

 このように説くのは、米戦略国際問題研究所(CSIS)のシニア・バイス・プレジデント兼中東プログラムディレクターのジョン・B・オルターマンだ。同「フォーリン・アフェアーズ(FA)」誌サイトに寄稿した「イランに対するデタントという選択肢」(4月3日付)でオルターマンは、「過去45年間、米国はイランを抑止し、押さえ込もうとしてきた。しかし、これは誤ったアプローチだ」として、米国の従来の対イラン政策の見直しを促している。……

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カテゴリ: 政治
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