歴史的な南北朝群首脳会談、そして秋の大統領選など、新たなファクターが、アメリカの「東アジア戦略」を大きく変えつつある。 現在、アメリカでは新たな東アジア戦略の研究が急ピッチで進められている。いずれも、東アジアの安全保障の未来像を見据えてのものだ。 去る六月、国防総省純評価局は「アジア二〇二五」と題する報告書を提出した。各分野の専門家を海軍戦争大学に集めて議論した結果をまとめたもので、かなり極端なシナリオながら、強大な軍事力を擁した中国が西太平洋地域の覇権を握る一方、南北統一がなされた朝鮮半島や日本の基地から米軍が撤退するといった厳しい事態も想定されている。
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