25年前に脱原発「フライブルク」が歩んだ道

大野ゆり子
執筆者:大野ゆり子 2011年6月10日
エリア: ヨーロッパ
フライブルク中央駅近くにある巨大な駐輪場(右手前円形の建物、写真は筆者撮影)
フライブルク中央駅近くにある巨大な駐輪場(右手前円形の建物、写真は筆者撮影)

 福島第一原発事故の影響もあり、ドイツは2022年までにすべての原子力発電所を止めることを決めた。だが25年前、すでにこの「脱原発」の決定をしていたドイツの地方自治体がある。ドイツ南西部のバーデン=ヴュルテンブルク州フライブルク市だ。私が訪れた5月にも、「環境都市」の最前線を見ようと、中国、アメリカから、ひっきりなしに視察団が訪れていた。  ドイツでもっとも日照時間が長い地の利を生かし、1970年代から太陽光発電を研究してきたこの町では、学校、教会、工場、住宅など、目につくところには全て、太陽光パネルが設置されている。市内中心部では、自動車を使わなくてよいように、公共機関の交通網、駐輪場など町づくりが考え抜かれている。ゴミの分別は市民にとって「義務」より「レジャー」だそうで、子供も遊びながら、ゴミの減らし方を自然に覚えていく。高い市民意識によって、ゴミの量は20年間で3分の1に減ったそうだ。郊外にあるゴミ埋め立て地では、腐敗で発生するメタンガスを燃料にして発電、その際に出る熱も暖房用や給湯用に有効利用するコジェネレーションシステムが導入されている。

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執筆者プロフィール
大野ゆり子
大野ゆり子 エッセイスト。上智大学卒業。独カールスルーエ大学で修士号取得(美術史、ドイツ現代史)。読売新聞記者、新潮社編集者として「フォーサイト」創刊に立ち会ったのち、指揮者大野和士氏と結婚。クロアチア、イタリア、ドイツ、ベルギー、フランスの各国で生活し、現在、ブリュッセルとバルセロナに拠点を置く。
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