CIAの反対を押し切って、日本の情報衛星を認めた米大使

春名幹男
執筆者:春名幹男 2013年10月22日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 北米

 議論が熱を帯び始めた安倍政権の安保政策。衆議院予算委員会では、与党自民党の石破茂幹事長が特定秘密保護法案について、「なぜ必要なのか」と質問したのに対して、安倍晋三首相は次のように答えた。

 「各国の情報機関との情報の交換、あるいは政策における意見の交換を行なう上において、秘密厳守が大前提だ。NSC(日本版の国家安全保障会議)の機能を発揮させるには、どうしても必要だ」

 日本のメディアはこの答弁について詳しく説明していない。だが、重要な事実をぼかしながらも、それなりにポイントを突いた発言だった。つまり、「外国情報機関」から得た情報を保護する手だてを整備するという意味である。外国情報機関、と言えば、過去には日本はイスラエル対外情報機関モサドなどから情報提供を受けたこともある。

 しかし、この法案は主として、アメリカ情報機関、特に中央情報局(CIA)などを念頭に置いていることは明白である。安倍首相は、いまなお円滑とは言えない日米同盟関係の強化を目指して、かねて求められていた「機密保護法制」と「集団的自衛権行使」などの整備を進めようとしているのだ。

 端的に言えば、日本で、旧ソ連や現在のロシアによるスパイ事件などは「大半がアメリカからの情報提供がきっかけになっている」と元米政府当局者は漏らしている。ブッシュ(父)元政権時代、CIA高官が日本に派遣され、日本政府高官らを集めて、北朝鮮の核開発の現状について、偵察衛星写真を使ってつぶさに説明したこともあった。

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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