イスラエル「政界ビッグバン」への期待と不安

執筆者:立山良司 2006年1月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中東

シャロン首相が打って出た政界再編は、イスラエル国内の変化を的確に反映したものだった。三月の総選挙は、中東和平に大きな影響を与える。 イスラエルでは今、「ハマパッツ・ハガドール(ビッグバン)」という言葉が政界やマスコミをにぎわせている。十一月下旬、アリエル・シャロン首相が自ら率いてきた右派政党リクードを離脱し、新しい中道政党「カディマ(前進)」を作った結果、抜本的な政界再編成が始まったからだ。その行方は二〇〇六年三月末の総選挙結果で決まるが、パレスチナ国家樹立も視野に入れたシャロン新政権の誕生も予想されており、パレスチナ側も新党結成の動きを歓迎している。〇六年一月末に行なわれるパレスチナ側の選挙とあいまって、イスラエルの政界ビッグバンは中東和平への突破口となるのだろうか。「国民全体を支持基盤としたリベラルな新党」――十一月二十一日の記者会見でシャロン首相は新党のイメージをこう説明した。また「現在のリクードでは国家目標を達成出来ない」とリクードに残った反シャロン派を手厳しく批判した。その後に発表された新党カディマの綱領は、イスラエル支配地域におけるユダヤ人の多数派維持のためには、パレスチナ人の多いヨルダン川西岸を一部放棄するとともに、非武装という限定つきながらもパレスチナ国家を樹立させるとして、リクードがずっと掲げてきた占領地の全域保持という大イスラエル主義を正面から否定している。

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