これぞ“二十一世紀のゴールドラッシュ”。地球温暖化によって「資源の宝庫」と化す北極海に、世界の国と企業が殺到している。[ローマ発]フィンランドの造船会社アカーは昨年、砕氷船専門の造船所を新設した。普通の海では舳先を前に進行し、氷の海では向きを変えて船尾で氷を砕きながら進む最新式の砕氷船に注文が殺到しているからだ。 また、長い間衰退する一方だった世界最北端の町、ノルウェーのハンメルフェストは、石油・ガス開発基地として俄に活況を呈し始めている。「職がなく若者が出て行く一方で、何十年も人口が減るばかりだったが、最近は若者が流入している」と同市のアルフ・ヤコブセン市長は語る。しかも、技能労働者や技術者はノルウェー国内からだけでなく、フィンランドやロシア、中央ヨーロッパ諸国、あるいはアジアの国々からも集まっている。
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