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米情報機関「プーチン侵攻」の予測でまた失敗――低かったウクライナの優先度

春名幹男
執筆者:春名幹男 2014年3月19日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
 3月16日、ソチパラリンピックの閉会式に臨むプーチン大統領 (C)時事
3月16日、ソチパラリンピックの閉会式に臨むプーチン大統領 (C)時事

 プーチンにまたやられた――米情報コミュニティはそんな思いにかられているようだ。

 米中央情報局(CIA)や国防情報局(DIA)は、ロシアがクリミア半島を事実上掌握した3月1日の前日になっても、ロシア軍のクリミア半島侵攻を予測できなかったというのだ。

 上下両院の情報特別委員会秘密会は2月27日、CIAやDIAの分析官らを招いてウクライナ情勢を聞いた。しかし、DIAは「ロシア軍はウクライナ国境近くで15万人の兵が軍事演習を行なったが、クリミア侵攻には利用しない」と判断。またCIAは「ロシアの介入を示す兆候はあるが、介入を予測していない」という趣旨の分析を示したという。

 ウォールストリート・ジャーナル紙によると、翌28日の段階でもDIAは「向こう24時間動きはない」との結論。CIAは、より慎重かつあいまいではあるが、ロシア侵攻の可能性があり得る、という程度の見方を示した。

 2008年北京五輪の際に起きたロシアのグルジア侵攻も予測に失敗した米情報機関。米国の対ロシア情報工作は一体、何が原因で失敗を繰り返しているのだろうか。

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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