北に流れ込む資金の「蛇口」を締めるため、金融機関の協力が求められている。一方、朝銀の相次ぐ破綻は大元の「栓」を閉めることに……。「外国為替(海外送金)の事務手続きはどうなっていますか」 十月中旬、関東のある金融機関を二人連れの男が訪ねてきた。地味なスーツを隙なく着こなした男たちは外国為替の担当者を呼び出し、質問を重ねて送金業務の実態をひとつひとつ確かめていく。事務手続きを正確に行なえているか。疑わしい取引を的確に見つけ出し厳正に対処できるか。丸一日かけてすべての確認作業を終えると二人は金融機関を後にした。向かった先は東京・霞が関。二人は金融庁の検査官だった。
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