「待ち望まれた提言」はブッシュ大統領に変化を起こすのか

執筆者:ルイーズ・ブランソン 2007年1月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

[ワシントン発]十二月六日、超党派の「長老」(共和・民主両党系五人ずつ、最年少は六十七歳)十人が、待ち望まれていたイラク政策に関する報告書を発表した。 ジェームズ・ベーカー元国務長官(共和党)とリー・ハミルトン元下院議員(民主党)が共同代表を務める「イラク研究グループ」は、イラクの現状を「憂慮すべき状態であり、さらに悪化しつつある」と表現した。ブッシュ政権にとっては、かつてなく厳しい評価だった。 報告書は、さらなる状況の悪化を防ぐために七十九の方策を提言。ベーカーとハミルトンは、すべて一体のものとして実行されるべきだと強調した。「これは、好きなものだけ選んで食べられるフルーツサラダではない」。べーカーの言葉だ。まるで、白髭の賢人が大統領に真実を語ってきかせる。そんな光景だった。 提言は、徐々にイラクから手を引くための方程式である。イラク駐留米軍の任務をイラク治安部隊が自立するための訓練やアドバイスに切り替えていくことで、二〇〇八年(米大統領選の年である)三月までに米軍を撤退させられるとしている。同時にイラク側も、石油収益を人口比にあわせて分配することや自前の軍隊育成など、アメリカの関与を得続けるためには、一定の条件を満たさなければならない、としている。

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執筆者プロフィール
ルイーズ・ブランソン イギリス出身。英『サンデー・タイムズ』紙モスクワ支局長を経てフリーランスに。米『ワシントン・ポスト』紙元モスクワ支局長で夫のダスコ・ドーダー氏との共著に『ミハイル・ゴルバチョフ』『ミロシェビッチ――暴君のポートレイト』がある。
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