「雨傘運動」で何が変わったか:「香港第一才子」インタビュー

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2014年12月16日
カテゴリ: 国際 政治 文化・歴史
エリア: 中国・台湾
 世界が注目していたが…(C)EPA=時事
世界が注目していたが…(C)EPA=時事

 香港で民主選挙を求めて9月末から続いてきたデモ隊による道路占拠は、先週、香港警察によって強制的に排除され、事実上終結した。座り込みをしていた学生組織のメンバーらは数百人が逮捕された。「雨傘運動」が残したものは何だったのか。香港はこれからどうなるのか。来日していた陶傑氏(56)にインタビューした。陶傑氏は香港テレビの英国特派員、香港の有力紙『明報』の副編集長などを経てコラムニストとして活躍し、「香港第一才子」(香港筆頭知識人)の愛称で呼ばれるリベラル言論人として知られている。

 

カリスマ・リーダーの不在

――雨傘運動は1つの区切りを迎えました。香港が得たものは何ですか。

 

 この運動は短期的には勝利の見込めない運動でした。中国が態度を変えることはあり得ないからです。しかし、長期的には勝利が不可能というわけではありません。

 今回の最大の収穫は、中国のボトムラインが分かったことです。最初の3日間は、中国が軍隊を送ってくるとみんな本気で恐れていました。しかし、中国は軍を使わなかったし、使えなかった。世界の目を気にしているのです。香港政府の弱点も分かりました。彼らは香港のためではなく、中国のために仕事をしている。香港に1人1票の制度がないと、結局はこういう指導者、政府しか出てこないのです。

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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