一月末の再利上げも確実 なかなか消えないインフレへの懸念

執筆者:山多豪太 2007年2月号

 二〇〇六年度は九%前後の高成長が見込まれるなど好調なインド経済に、最大の不安要因と言えるインフレが微妙な影を落とし始めた。民衆の不満に直結するインフレの抑制を最重要課題とするインド中央銀行(RBI)が、一月末の政策決定会合で再び短期金利の引き上げに踏み切るのはほぼ確実。一段の金融引き締めによって、住宅や自動車、家電販売など景気への影響も懸念され始めた。 十二月のインド国内乗用車販売は前年同月比二三%増の約八万一千台を記録。消費を支える都市中間層に限って言えば、今のところ金利や物価の上昇よりも、所得伸び率が上回っている。産業テコ入れや雇用拡大に不可欠な対印外国直接投資も〇六年度は、前年度比倍増の約百十億ドル(約一兆三千二百億円)に達する見通しだ。二月末に発表される〇七年度予算案では、幅広い減税案や規制緩和が盛り込まれる見通しで、インド経済の先行きに悲観材料は少ない。 だがその一方で好調な経済に過熱懸念が広がっているのも事実だ。RBIでは、指標となる卸売物価指数(WPI)を「年率五・〇―五・五%の範囲に維持する」(モハン副総裁)との目標を掲げ、〇六年中に三回に及ぶ短期金利引き上げを実施。年末年始には市中銀行の現金準備率(CRR)も引き上げ、約千三百五十億ルピー(約三千五百億円)もの資金を市中から引き揚げた。

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