電気自動車の「劇的な進化」に注目せよ

執筆者:五十嵐卓 2007年3月号

幾度もブームになりながら商用化には至らなかった電気自動車。だが技術革新で従来のハイブリッド車以上の可能性をもち始めた。 座席に腰を沈めると走り出したことに気づかないうちに、体がシートに強く押しつけられていく――。最新の電気自動車に試乗した人の多くが受ける印象だ。一般のエンジン車では考えられないほど静かに走る一方、モーター駆動のイメージとはかけ離れた加速力をもっているのが電気自動車だ。 今、電気自動車が劇的な進化を遂げつつある。自動車は通常のガソリンエンジン車で燃費が一段と向上する一方、エンジンとモーターを併用したハイブリッド車が、環境と走行性能を両立させた新しい車のジャンルとして世界的に定着しつつある。水素を燃料とする燃料電池車も商業レベルでの実用化はまだ先とはいえ、研究開発が着実に進んできた。燃費のいいディーゼル車も性能が一段と上がり、欧州ではガソリン車を上回る存在感を持っている。 自動車の燃料や駆動方式をめぐる技術競争は百花繚乱の状態になっているが、その中で電気自動車がダークホースとして急浮上していることを認識する必要がある。 電気自動車と聞けば、多くの人は空港やゴルフ場で人を運ぶ乗用カートをまず思い浮かべるだろう。使用する場所が限られ、ゆっくりと走る手段としてなら、電気自動車はすでに定着している。だが、今、急浮上している電気自動車はそうしたものとはまったく次元の異なるものだ。

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