中国民族系メーカーの意外な台頭で世界の自動車産業が変わる

執筆者:五味康平 2007年5月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 中国・台湾

侮っていた中国の自動車メーカーが実は大化けしていた。自前で身に付けた技術力と、バツグンの価格競争力を武器に、中国や途上国の市場で売り上げを伸ばし続けている。トヨタ以下、世界の自動車メーカーも考えを改めざるをえない。 北京や上海の街中でこの数年、よくみかけるようになった小型車がある。外見は日産の「マーチ」にも似た丸みを帯びたデザインで、女性ドライバーにも受け入れられる都会的な装いが人気を集めている。 中国の民族系メーカー、奇瑞汽車(安徽省)の看板車種「QQ」シリーズだ。昨年発売した「QQ6」は排気量一・三リットルの標準車種で四万六千八百―五万千八百元(一元は約十五円)という手頃な価格で、「マイカー」に心躍らせ始めた中国の中堅サラリーマンを惹きつけている。 奇瑞は日本でも中国通でなければ耳にすることのない自動車メーカーだが、今年三月、中国の自動車産業史に残る偉業を成し遂げた。外資との合弁ではない民族系メーカーとして、実質的に初めて月間シェアトップに立ったのだ。奇瑞の三月の販売台数は四万四千五百六十八台で、それまで首位を争っていた上海GMの四万七十一台、上海VWの三万八千六百二十七台を抜き去った。奇瑞は昨年、販売台数で二〇〇五年の七位から四位に浮上していたが、遂に首位に駆け上った。ただ、販売台数には約一万台の輸出車も含まれており、国内販売ではまだ上海GMなどの後塵を拝しているが、「名実ともにトップに立つ日はそう遠くはない」という点で衆目は一致している。

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