それでもベンチャーの旗手「澤田秀雄」の次なる目論見

執筆者:清水常貴 2007年5月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

 エイチ・エス証券(HS証券)が金融庁から業務改善命令を受けた。指摘されたのは、同社が主幹事を務めたベンチャー企業の新規上場に際して、当該企業の要求を受け入れ、公募価格を高値に設定した行為だ。 高値での公募を要求した企業は、名古屋証券取引所の新興市場であるセントレックスに二〇〇四年に上場した投資会社、21LADYで、一株十一万円で公募した株価は上場以来、値下がりし続け、三万円台に下落している。「主幹事証券が上場予定企業から公募価格を高値で要求され、公平なブックビルディング(機関投資家の意見)を上回る公募価格に設定するというのは前代未聞です。投資家が損をするのを承知で公開株を買わせたのと同じですから、業務停止になってもおかしくない」(大手証券引受部長)。業務改善命令にとどまったことに対し、証券マンの間では「政治力が働いたのではないか」という声さえ上がった。 そんな折、澤田秀雄社長(五六)はHS証券を分割、「澤田ホールディングス」なる持株会社制に移行した。澤田ホールディングスの下に、HS証券やモンゴルのハーン銀行、買収した商品先物取引会社のオリエント貿易、ベンチャー企業への投資会社エイチ・エスインベストメント、新設した債権回収会社、損害保険会社などをぶら下げる。「格安航空券販売のエイチ・アイ・エスは海外旅行ではJTBに匹敵するほど大きくなったことから除外した」(澤田氏の知人)そうだ。金融部門を統合し、「金融コングロマリット」と称しているが、要はHS証券の立て直しである。

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