リー・クアンユーの死について、いちばんコメントを聞きたいと思ったのは李登輝だった。2人は同じ「李姓」で、まったくの同世代に属する。ともに1923年生まれ。1月生まれの李登輝より8カ月、リー・クアンユーは遅く生まれた。そして、2人とも客家の家系。「4匹の龍」(シンガポール、台湾、韓国、香港)と称された「国」を率いた。
私が特派員として滞在したシンガポールと台湾で、2人はいずれもすでに第一線からは退いていたが、その存在感は依然抜群であった。私はかねてから「2人のリー」と勝手に名付けて、比べてきた。様々な類似点と相違点、互いの感情の対立。何より自由・民主と経済発展の関係をめぐる現代アジア論が「2人のリー」からいくらでも語れそうだ。
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