市場改革を待てない商品先物取引の「滅亡寸前」

執筆者:清水常貴 2007年6月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

外為証拠金取引で脱税が頻発する裏で、商品先物市場は衰退中。果たして「総合取引所」構想は助け船となるのか。 このところ騒がしくなっているのが商品先物取引業界だ。世界的に原油や金、トウモロコシなど一次産品が高騰し、活況を呈しているのに、わが日本の商品市場は世界の動きから取り残されて先細り気味。ところが、その傍らで東京・世田谷区の五十九歳の主婦が外国為替証拠金取引(FX)の利益を隠した脱税事件が起こっている。そんな最中に経済財政諮問会議で民間議員から商品取引所を東京証券取引所と統合する「総合取引所」構想が提案され、商品取引業界はてんやわんやの騒ぎである。 脱税で起訴された主婦は大手商品取引会社の顧客。三年間に繰り返したFXで四億円を儲け、その金で高級外車を買ったりしたのが目立って脱税が発覚したという。 主婦ばかりではない。豊島区の六十四歳の個人客はシンガポールの先物取引会社に口座を開き、FXに投資。二年間に七億七千万円の利益を上げていたのが摘発され、東京地検特捜部に脱税で逮捕されている。 FXは一九九八年に外国為替管理法が改正されて始まったもので、少ない証拠金を担保に十倍から二百倍もの取引が可能。たとえば、一ドル=百円のとき、十万円の証拠金を担保に十倍の取引なら一万ドルのドル買いができ、一円円安になれば一万円の儲け。逆に一円円高になってしまうと一万円の損が出るハイリスクの取引だ。

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