【インタビュー】柴田章吾(愛知工業大学名電高校3年生) 一度消えた夢を取り戻した左腕投手

執筆者:草生亜紀子 2007年10月号
カテゴリ: スポーツ

 甲子園のマウンドは、小さな頃から憧れた場所だった。八月十一日、四万二千人の大観衆が見守る中、愛工大名電高校(愛知)の柴田章吾投手はその夢の舞台に立ち、五回から八回までの四イニングを投げ、創価高校(東京)を一安打六奪三振で無得点に抑え、打ってはタイムリー三塁打で一点を返すなど、存分に実力を発揮した。だが、初回の失点が響いて1対3で敗北。初戦突破はならなかった。「負けた時は悔しくて、悔しくて……。でも、帰りのバスに乗る頃、『終わった』と感じると、野球を続けてきて良かったという充実感が徐々にわいてきました」と語る。 一度は消えた夢だった。 小学校六年生の時、少年硬式野球チーム「四日市トップエース」の左腕投手として全国制覇。中学三年の時には、少年野球世界大会に出場する日本代表に選ばれ、米国遠征が決まっていた。将来有望の声が高く、強豪高校からの誘いも受けていた。 その絶頂を病魔が襲う。練習試合の後、立っていられないほどの腹痛に見舞われた。診断はベーチェット病。原因・治療法ともに未解明の国指定の難病で、皮膚や内臓、粘膜などに炎症を起こす全身性の自己免疫疾患である。疲労やストレスで症状が悪化するため、当初、野球はおろか、体育の授業でさえ無理だと言われた。

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