道路中期計画に隠された「巨大利権」を暴く

執筆者:杉谷剛 2008年3月号
カテゴリ: 政治 社会
エリア: 日本

道路官僚と族議員が結託し六十兆円もの税金を食い潰そうとしている。暫定税率を論じる前に、まずこの実態を知ってほしい。 始まりは野球のグラブだった。続いて公務員宿舎や高級ハイブリッドカー、さらにはマッサージチェアの購入まで――。年間五兆四千億円という巨額の道路特定財源をめぐり、役人の無駄遣いが次々と明るみに出ている。国土交通省道路局の内情に詳しい中央官僚のA氏が打ち明ける。「グラブやカラオケセットなんて彼らにとってはちっぽけなもの。実は道路中期計画にこそ、とんでもない利権が隠れている」 揮発油税などの暫定税率の延長に向け、政府・与党が昨年十二月に合意した道路中期計画は、小泉、安倍両政権が実現を目指してきた道路特定財源の一般財源化を一気に逆行させる内容だった。「個々の事業を積み上げた」という道路整備費は二〇一七年までの十年間で計五十九兆円。それに対して年間五兆四千億円税金が入る特定財源は十年間で五十四兆円になる。一昨年末の道路特定財源の改革で「必要な道路を作ってなお余る分は一般財源化する」と閣議決定されていたが、これでは「余る分」はない。一般財源化を阻止するため、道路官僚と自民党道路族とが手を結び、「全部使い切る」と宣言したに等しかった。A氏が続ける。

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