状況は一変した。時間を稼ぎ、相手をじらす――そんな北朝鮮の交渉戦術は使用不能に。そこを見据えるべきだ。 金正日総書記の「写真統治」が続いている。 北朝鮮の公式メディアは、十月四日から十二月十二日までの間に、十一回にわたって金総書記の現地指導を報じた。いずれもスチール写真で、左手の麻痺の可能性を指摘されると両手を上げて拍手をしている写真を公表するなど「釈明」に努めている。しかし、九月九日の建国六十年の行事や、十月三十日の朴成哲元国家副主席の国葬に参加しなかった理由は、健康異常以外に考えにくく、八月中旬に脳卒中などの病変が生じたことは間違いない。
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