バングラデシュは「政治という足枷」をはずせるか

執筆者:境分万純 2009年4月号
カテゴリ: 国際

 政治や選挙への関心が高いバングラデシュ国民にとって、昨年から今年初めは久々に沸き立つ時期だった。二〇〇七年の非常事態宣言発令から暫定内閣を経て、昨年十二月末に七年ぶりの総選挙が行なわれ、今年一月に新政権が発足したからだ。 選挙結果は、「建国の父」ムジブル・ラーマン初代首相の娘、ハシナ・ワゼド元首相のアワミ連盟(AL)が率いる「グランド・アライアンス」が三百議席中二百六十二議席を得る地滑り的勝利を収めた。宿敵、ジアウル・ラーマン元大統領の妻カレダ・ジア元首相が率いるバングラデシュ民族主義者党(BNP)は友党のイスラム原理主義政党ジャマーテ・イスラミと共に惨敗した。 一九九一年の民主化以降、ALとBNPの二大政党は交互に政権を握ってきたが、政界汚職は深刻化する一方。結果、七一年に独立し、人口一億五千万人強を有する南アジアの途上国バングラデシュは、長らく「世界で最も政治腐敗している国」という汚名を着せられていた。近年、その責めを受けてきたのはハシナ、カレダ両党首で、選挙管理内閣が断行した政界浄化により、ともに収賄などの容疑で訴追された過去がある。 一方、混乱する政界をよそに、経済は九〇年代に急成長した縫製産業(全輸出額の七割)を旗頭に着実に向上してきた。国内総生産(GDP)は二〇〇〇年から年平均五・五%の成長を続け、〇六年には六・七%。〇五年には、米投資銀行ゴールドマン・サックスが「NEXT11」(中・印などに次ぐ成長が期待される新興経済勢力十一カ国)に認定している。

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