中国が欲しがる日本の「流通ノウハウ」

執筆者:五味康平 2009年8月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 中国・台湾

製造業の発展で「世界の工場」となった中国だが、販売に関してはまだ前近代的。高度化した日本の流通業には可能性がある。 中国の家電量販大手、蘇寧電器が日本の中堅家電量販店ラオックスを買収した。蘇寧電器といわれても日本人にはほとんどなじみがないが、中国国内に八百五十以上の店舗を展開し、売上高が一兆四千億円を超える中国有数の巨大流通業。中国の家電市場の急成長を考えれば、今後、世界最大の家電量販店になる可能性もある。それほどの大企業がなぜ売上高が四百六億円(二〇〇九年三月期連結決算)程度の中堅量販店で、しかも経営の行き詰まったラオックスを傘下に収めるのか。そこに中国の流通ビジネスが抱える問題が潜んでいる。 中国は生産、販売の規模では世界最大の家電大国だが、家電流通は前近代的といってもよい。蘇寧やライバルの大手、国美電器などの店舗に行くと、ヤマダ電機やビックカメラなど日本の家電量販とは明らかに様子が異なる。テレビ、冷蔵庫、エアコンなどの各売り場は基本的にメーカー別にブースが分かれ、各メーカーの派遣店員が客を呼び込み、自社商品だけを勧める。 中国の家電量販はメーカーに販売スペースを貸して、賃貸料や売り上げに応じた手数料をもらう「場所貸し型」ビジネスモデルが基本だからだ。流通業としてはきわめて単純で、店舗さえつくれば、後は在庫を抱え込んだり、余剰人員を抱えるリスクも低い。

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