行き先のない旅
行き先のない旅(78)

フランスにもやってきた「アラフォー」ブームの広がり

大野ゆり子
執筆者:大野ゆり子 2009年11月号
カテゴリ: 国際
エリア: ヨーロッパ

 夏に日本に帰国したら、四十代をターゲットにした女性誌がたくさん店頭に並んでいて驚いた。筆者もちなみにこの世代である。女子大生ブームなどと言われ、成人前後に男女雇用機会均等法が施行された世代。四十代ファッション誌の中には、二十年前にJJといった女性誌で女子大生モデルだった女性が、ほとんど変わらない容貌でモデルをつとめている。「四十代美容の常識」「四十代夜遊びメークのコツ」というラインアップに、とても四十代に見えない人々の写真が満載されている。輝かしい美容法が気になりながらも、ここに書かれていることを全部やっていたら二十四時間では足りないような気がするのだが……。 それにしても、四十代の美容法で分厚い本が一冊できてしまうぐらい、この世代に美にかける情熱があることに圧倒された。この勢いでいったら六十歳、八十歳、百歳とその年ごとに雑誌が出されて「目ヂカラを上げる夜遊びメーク」といった特集が組まれるのかもしれない。頼もしい。 と、感心してフランスに戻ったら、立て続けに「全ては四十歳から始まる」「五十代で何もかも可能」という雑誌の特集を見かけて、なお驚いた。取り上げられている四十代の女性たちは、フランスの国民的アイドルである女優ソフィー・マルソー、イタリアの宝石と謳われ、流暢な仏語でフランスにも活躍の場を広げるモニカ・ベルッチ、アメリカの女優デミ・ムーアなど、四十歳を超えても旬の女優たち。昔のハリウッドだったならば四十代になると自然と引退を考え、ひっそりと銀幕から去るのが筋だったが、今では二十代の女優に引けをとらぬ美しさ、経験に裏打ちされた演技力、子育てで女性としてのしさも兼ね備えたアイコンとして、人気も実力も絶頂にあるという。

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執筆者プロフィール
大野ゆり子
大野ゆり子 エッセイスト。上智大学卒業。独カールスルーエ大学で修士号取得(美術史、ドイツ現代史)。読売新聞記者、新潮社編集者として「フォーサイト」創刊に立ち会ったのち、指揮者大野和士氏と結婚。クロアチア、イタリア、ドイツ、ベルギー、フランスの各国で生活し、現在、ブリュッセルとバルセロナに拠点を置く。
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